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コロナ禍による滞納の増加

新型コロナウイルスによって、セルフストレージ企業のアカウント滞納に対する対応に影響が出ています。今回は、企業と顧客の双方にとってメリットのある対処法について解説します。

2020年がどれほど変化の大きな年だったか、何度も言い過ぎて決まり文句のようになっていますが、それでも足りないくらい激動の年でした。新型コロナウイルスの大流行によって多くの企業が業務の見直しを余儀なくされましたが、セルフストレージ企業も例外ではありません。セルフストレージ企業にとって、この未曽有の時代にテナントの滞納にどう対処するかが重要になってきます。 

細やかな対応

滞納によって負債の増加に悩まされている企業も多いと思いますが、コロナ禍はすべての人々に苦難を強いていることを忘れてはいけません。利用料の滞納には心配りと共感をもって対処する必要があります。コロナ以前は、利用料の滞納や延滞金は簡単に処理できました。滞納が発生した場合に備えて明確な手順が契約内容に含まれていたはずです。その場合の利用者とのやり取りも簡単で、一定の期日までに料金が支払われなければ、ほとんどの場合「先取特権」という権利を行使してその料金を回収するだけです。

しかし今のような状況下で行うべき手順は明確に定められていないため、そう簡単にはいきません。ソーシャルディスタンスによって対面での支払い手続きが難しくなったり、小切手の郵送が通常より時間がかかって期日までに間に合わなかったりすることがあるからです。コミュニケーションや支払いの難しさだけでなく、利用者が病気だったり、家族が病気のために世話をしなければならない可能性も考慮しなければなりません。さらに、世界の雇用市場は不安定で、利用者の多くは安定した収入を得られていないことも考えられます。収入が不安定だったり減ったりすると、利用者は自身の支出に優先順位をつけなければならず、セルフストレージに対するニーズは優先度が低くなるかもしれません。 

法的な考察 

何か対策を講じる前には、コロナ禍によって施工された様々な法改正について必ず確認しましょう。多くの政府が差し押さえや先取特権の行使を義務化したため、滞納による損失を取り戻すことが困難になりました。例えばロサンゼルスでは、すべてのセルフストレージ業者に対して、支払い能力のないテナントの家賃や延滞損害金の支払いを停止する条例が議会で可決されました。該当する地域の支払い猶予期間や延期に関する義務や条例などがあるか、良く調べておくことが大切です。

共感を示すコミュニケーション

上記のような背景を踏まえたうえで、最初に考えるべきことは利用者との向き合い方です。支払いが遅れている利用者とのコミュニケーションで重要なのは、相手の気持ちに寄り添うことです。利用者が意図的に滞納したり、このような状況を悪用しようとしているわけではないので、支払いを促す一方で、支払いが困難な利用者にペナルティを貸すようなことはしない方がいいでしょう。粘り強く対応することももちろん大切ですが、利用者の苦悩を思いやる気持ちを持って対応してください。 

支払い方法を増やす 

先に述べたように、対面での支払いはソーシャルディスタンスによって困難になったり避けられるようになり、郵送だと通常よりも配達に時間を要します。このような状況に対応するには、オンラインや電話による支払い方法を設けることで、対面や郵送での支払いによる障害がなくなり、結果として滞納を減らすことができます。また、オンラインや電話での支払いは、利用者にとっても簡単なので、双方にメリットがある支払方法です。 

別の方法として、分割などの支払いプランや所定の料金の支払いをもって退去できるオプションなどを用意するのもいいかもしれません。そうすることで利用者の債務や遅延損害金をより長い期間で返済してもらえるようにします。所定の料金の支払いによる退去とは、利用者が債務の一部を支払い、一定の期日までに退去することです。この手段をとる場合もやはり密なコミュニケーションが必要になります。利用者がどのくらいの金額をどのくらいの期間で支払えるのかしっかりと理解しておきましょう。どうしても支払いが困難な場合は、過去の延滞料金を免除して利用料のみを支払ってもらうようにするか、退去と引き換えに債務を完全に免除することも検討してください。 

最後の手段 

利用者に配慮して共感を示した対応を取ったにも関わらず、支払いが滞っている場合は、現場の先取特権法に立ち返るのが最善です。この法律は分かりにくい言葉で書かれていたり曖昧な表現もあったりするので、それ以降の対応は弁護士に相談してみるのも良いかもしれません。残念なことに、このような状況を悪用しようとする人がいるのも事実です。しかし、ここで述べたような選択肢を利用者に提示してチャンスを与え、困難な状況にあって滞納している人と、意図的に支払いをせずに滞納している人とを区別して対応できるようにすることが最も重要ではないでしょうか。

新型コロナウイルスによって、セルフストレージ事業者は滞納に対して厳しい判断を迫られることもあるかもしれません。そんな時でも、細やかな心配りと思いやりをもって、粘り強く対応することが大切です。今は誰にとっても厳しい時代ですが、親身になって対応することで顧客の満足度を上げ、会社の評判も好転させるチャンスです。