Unwired Logic株式会社

マーケティング活動の無駄をなくす顧客分布分析のすすめ

セルフストレージビジネスにおいて指標にすべきKPIについての前回の記事(ご覧いただいてない方はこちらから)につづき、今回は第2弾としてマーケットエリアと顧客の属性についてご紹介します。 

みなさんは自社の顧客をどのエリアから獲得しているかを把握していますか? 

この情報を正しく理解しておくことは、マーケティング活動に費やす時間やコストの無駄をなくすためにとても大切です。各店舗のマーケットエリアは、店舗のサイズや近隣の競合店舗の賃料設定など様々な条件に影響されている可能性があるので、さらなる顧客獲得を目指すため、また既存契約者の継続利用を確保するためにも分析を行うべきです。 

この分析に必要となるのが、自社の顧客情報の収集と、収集結果を視覚的にわかりやすくするマッピングソフトです。顧客情報についてはサンプル数が多ければ多いほど分析結果の信頼性が高まるので、既存契約者だけではなく、過去の契約者の情報も含めてデータを収集するべきでしょう。これにより現在と過去の結果を比較できるようになり、今後の戦略構築のクオリティーをより高めることにつながります。 

収集したデータは、マッピングソフトを使用して視覚的にわかりやすくします。有料のものを含め、優れたマッピングソフトは数多く存在していますが、どのツールが自社に合っているのかを最初から判断するのは難しいと思いますので、まずは無料で使用できるマッピングソフトを使用し、顧客分布を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。 

自社の顧客分布を把握したら、次は店舗周辺エリアの分析を行います。調査項目はエリアタイプ(住宅街なのかオフィス街なのか)、世帯と年代(単身世帯か一般世帯なのか、どの年代が中心の世帯か)などの情報で、これらを集め、分析し、基本的なエリアプロフィールを把握します。このデータ収集や分析にもマッピングソフトの活用は有効です。レポート作成や分析結果の把握を容易にしてくれます。 

下記のサンプルマップは、店舗から1km圏内の世帯分布を調査したものです。このマップを参照すると、東部に世帯数が集中していることが明らかなため、これから新店舗をオープンする場合、まずターゲットエリアと東部の地域をフォーカスすべきということがわかります。 

既存店舗の場合は、マップ上に自社の顧客をプロットすることで、顧客分布と世帯数の比較を行うことができます。このような分析に必要なレポートの作成にかかる作業時間をソフトウェアの利用で削減できれば、分析に多くの時間を費やすことができるでしょう。 

エリア分析においてもう一つ重要なことは、店舗の周辺エリアの地理的な条件と顧客分布の間に因果関係があるかどうかを分析することです。セルフストレージビジネスに限ったことではありませんが、大きな道路や線路、河川などはマーケットエリアを見極めるうえで、大きな要素の一つといわれています。 

下記のマップを見ると、店舗から1km先の東部に大きな河川があることがわかります。これは1km以上東部からの顧客を獲得しにくくする障害となり得ると考えられます。 

過去の契約者情報も含めて顧客をプロットし、河川の有無など地理的な条件がどれほど影響しているかを分析しておくことが、今後のマーケティング戦略に大いに役立つ情報となります。 

そして、これらの2つのマップの情報をあわせると、ポテンシャルターゲットエリア(下記のマップでハイライトされている部分)が見えてきます。 

今回の記事で紹介したエリア分析に関するポイントは基本的なものですが、これらの情報に自社でもっているほかの情報も活用し、様々な角度からの調査と分析を行うことは、今後のマーケティング活動の最適化や新規店舗の出店エリア選定に大きく役立つでしょう。そして、このような調査は一度のみではなく定期的に行い、常に自社のマーケットエリアを把握しておくことがビジネス成功への鍵となることは疑いようのない事実です。 

Unwired Logicには、日本のセルフストレージ業界における豊富な経験をもつコンサルタントが在籍していますので、レポーティングやデータ収集についてお困りの際はぜひこちらからお問い合わせください。 

また、今回紹介したような分析を将来的にわたって継続して行っていくために必要なデータ蓄積に対応しているセルフストレージビジネス専用のクラウド型システムStoreganise(ストーガナイズ)についても、ぜひ弊社へお問い合わせください。 

次回の第3弾は、収益を大幅に増加させる賃料管理に関するテクニックをお届けしますので、お楽しみに。