Unwired Logic株式会社

OpenTech Alliance社CEOロバート・A・チティ氏へのインタビュー

| UL: まずは、ロバートさんご自身について、そしてOpenTech Alliance社について教えてください。 

OpenTech Alliance社を創業したロバート・チティです。世界的な大手ソフトウェア会社や会計事務所で長年テクノロジービジネスに携わってきましたが、その経験を活かして2003年にアリゾナ州フェニックスでOpenTech Alliance を立ち上げました。現在では、およそ200名の従業員とともに5つの主要な製品ラインを展開しています。 

私たちは、2003年にフルサービスのキオスクでビジネスを始めました。セルフストレージ施設に管理者を常駐させることなく運営できるというアイディアをセルフストレージ業界に広めたかったのです。当社の製品は不動産管理システムと統合されているので、現金だけでなく小切手やクレジットカードにも対応しており、ドアの施錠も可能なものでした各ユニットには電話が置いてあり、設置されている機器に何か問題があればすぐに利用者が助けを求められるようになっていたのですが、事業者や管理者が電話に出ないため、この機能を活用できていないことが分かりました。そこで、私たちは、2009年にセルフストレージ専用のコールセンターを開設したのです。  

当社3つめの製品ラインは、オークションプラットフォームです。storagetreasures.comの株式の過半数を購入したのです。放置され一定の猶予期間が過ぎたユニットを管理者が写真を撮ってプラットフォームに投稿し、オークションにかけることができるシステムです。興味を持った人が入札し、落札すれば、オンラインで少額の手数料を徴収して、残りはセルフストレージ事業者に支払われます。セルフストレージ事業者は、当社のプラットフォームで月平均6万件以上のオークションを掲載しています。 

4つめは、顧客獲得サービスです。セルフストレージ向けのウェブサイトを構築してマーケティングの改善やユニットレンタル、オンライン決済を処理する会社を買収しました。 

最後の製品ラインですが私たちはInternet of Everythingあらゆるもののインターネット化)」と呼んでいます。世界最大手のPublic Storage 社から、セルフストレージ業界向けの全く新しいアクセス制御プラットフォームの開発を依頼されたのですが、このプロジェクトに取り組む中で、従来のアクセス制御は単にゲートを制御するだけであり、そのほとんどがPCベースであることに気が付きました。そこで、セルフストレージに設置されたあらゆるセンサーや機器に接続できるクラウドベースのIoTプラットフォームが必要だと考えたのです。 

まず、キーパッドやゲートセンサー、ドアセンサー、水分検出センサーなどを当社のシステムに追加しました。ゲートやドア、異なるガレージの扉などへのアクセスを遠隔で操作できるようにしました。また、オープンプラットフォームなので、先ほどご紹介したような他の機器もすべて追跡することができます。こういった機器は、非常に洗練されており、システムの通知機能と連携させることが可能です。例えば、誰かが敷地内に長く滞在したり、宿泊しようとしたりすると、ショートメッセージやEメールで警告を受信することができます。 

これらのシステムから得られる大量のデータを分析することで、利用者がいつ施設に来るのか、どれくらいの時間滞在するのかいつも何曜日の何時頃に来るのかなど、ストレージ事業者は利用者について理解を深めることができます。当社のお客様の多くが、このようなデータを利用料金の値上げや収益管理の最適化に活用しています。 

| UL: そのデータに関る話をさらに詳しく聞かせてください。多くのセルフストレージ事業者が、多くのデータを収集しているにもかかわらず、その可能性を完全に引き出せていないことを認識し始めています。データ収集やその活用について、どこに課題があるとお考えですか?

課題と言えるのかどうかは分かりませんが、収集したデータを運用するためのツールや時間がないのが現状ではないでしょうか。私たちのシステムを使えば、事業分析のレポートに簡単にアクセスできるので、問題や異常を簡単に特定することができます。利用料金を上げられるだけでなく、他にもメリットがあります。例えば、ある物件にいつ、どれくらいの人が来たのかを特定します。多くの事業者は、そのデータを使って利用者の需要に合わせて人員や設備を最適化しています。この概念を当社では「需要ベースの人員配置と呼んでいますセルフストレージ施設に自動化を取り入れる場合、ゼロから100にする必要はないのです。「ゼロ」か「100のどちらか一方ではなく、その間にある改善点を一つずつ見直していけばいいのです。すべての人員を排除する必要はありませんが、すべての業務や営業時間内に常に管理者が必要というわけでもありません。とはいえ、システムによって自動化できたり、効率的に管理できたりするような業務に貴重な人員やその時間を割くのはもったいないものです。 

要は、収集したデータを使ってゼロと100の間で最高の結果をもたらす領域スイートスポットを見つけ出すのです。施設全体にセンサーを設置すれば事業者は非常に正確なデータを得ることができます。例えば、店舗の自動ドアに設置されているような退出要求センサーを施設や事務所のドアに設置し、誰かが近づいてきたら追跡することができます。別のセンサーを使って、誰かがドアを通過したかどうかも確認することができます。そうすればどの曜日や時間帯に、ドアまで来たのに通過しなかった人が多かったのかが分かるので、需要に応じた人員配置計画を作成するのに役立ちます。このように時間をかけて利用者の行動パターンを特定することができるのです。アメリカの労働市場は少し厳しい状況にあるので、事業者は人員を効率的に活用していく必要があります。そのために、データがとても役に立つのです。 

| UL: ちょうどアメリカ市場の話が出たので、次の質問です。アメリカのセルフストレージ市場は、最も古く成熟した市場の1つですが、今後はどこへ向かい、どのように発展していく思われますか? 

そうですね、仰るとおりアメリカは最も古い市場の1つです。どこまで遡るかにもよりますが、少なくとも50年の歴史があります。2003年にこの市場に参入したとき、セルフストレージに必要なものはもうすべて揃っていると思っていました。しかし、2005年から2006年にかけて、驚異的な数の開発が行われました。その勢いは今も衰えておらず、今後も続くでしょう。消費者がストレージというものへの理解を深めてきているのは確かだと思います。私が起業した頃は、アメリカ人の約8%がストレージを利用していましたが、今では9%をはるかに超えています。私たちはずっと掲げ続けてきた目標は、この利用率を12%にすることでした。必ず達成できると確信しています。使い勝手がよくなれば、自宅の屋根裏やガレージ、地下室、裏庭などよりも、ストレージを好む人々が増えてくるはずです。つまり、この業界は、大きな成長の可能性を秘めているのです。 

例えば、当社のシステムにはモバイルアプリがあります。利用者はそれをインストールし、位置情報サービスをオンにするだけで、ゲートやドアに近づくとセンサーがそれを読み取り、スマートフォンさえ持っていればドアを開けることができます。オンライン決済やオンラインレンタルなども可能にすることで、カスタマーエクスペリエンスをより簡単に、そしてより良いものにすることができました。  

今後は、ボートやRV車など、様々なタイプの収納品が増えてくるでしょう。こういった乗り物は市の法令等で路上駐車禁止とされていることも多いので、駐車スペースを確保するのに、結構な費用が必要になります。そのため、ボートやRV車の保管庫は最近とても増えてきています。 

自動化機能もまた、この市場を大きく変えるきっかけになりました。2011年から2012年にかけて、デジタル革命がおこりました。 Google検索ページのデジタル広告などのデジタルマーケティングが、印刷物よりもはるかに優れていることが認知され始めたのです。これがきっかけとなって、8%から9%への利用率アップにつながったのではないかと思っています。鶏舎用の金網やアナログな門で囲まれた昔ながらのセルフストレージもいまだに存在していますが、セキュリティやカスタマーサービスの面で期待できる、より洗練されたセルフストレージが近くにあったら、古いタイプのストレージを借りたいと思う人はいません。時代と共に、そういった昔ながらのセルフストレージは姿を消していくでしょう。 

古いタイプのストレージがなくなっていくと、ある程度は供給が落ち込むとは思いますが、特に心配はしていません。セルフストレージの始まりは、いわゆる「開発保留地でした。誰かが土地を持っていて、その土地を開発する前に、繋ぎとしてセルフストレージを設置するのです。このようなセルフストレージh、アセットクラスとして非常に優れていたため、実際に取り壊されることはほとんどありませんでした。 

セルフストレージ協会もまた、事業者を支援するための立法支援活動を行っています。彼らは、基本的に専用の法律や条例を制定し、ストレージや倉庫業界の中でセルフストレージを独立したカテゴリーとして位置づけることに貢献しました。セルフストレージは消費税をあまり生まないため、都市部では必ずしも私たちの事業を経済的に好ましい存在としては見ていません。  

| UL: 北米とそれ以外の地域のセルフストレージ市場の違いはどこにあるとお考えですか?

私は、世界の専門家とは程遠い存在です。アメリカの専門家というわけでもありませんから、この点については免責事項とさせてください。海外企業で働いたことがあるのですが、私にとって特に大きな違いはありませんでした。規制という観点では、地域特有の課題が存在しますが、全体的には同じ業界です。ヨーロッパもアメリカも変わりません。ヨーロッパでは Shurguard社と契約を結び、同社の物件に当社の入退室管理システムを導入しました。ストレージ自体は基本的に同じすし、同じ理由で使われていて、同じような方法で運用されています。香港でもビジネスをしていましたが、香港はかなり違いましたね。消費者層は、主に徒歩で移動し、車で移動する人はほとんどいませんでした。そのため、ストレージ施設へは電車でやってくる人も多く、生活圏の近くにあるストレージが好まれました。また、大きなストレージよりも小さなストレージの方が好まれました。ただ、住居の縮小や引っ越し、スペースの確保など、ストレージを利用する理由は世界共通ですね。 

 

| UL: セルフストレージは、特にアジアの一部地域で、B2B企業に利用されることが増えています。こういったビジネスは、今後どのように発展していくでしょうか? 

B2Bビジネスは、特にサプライチェーンのことを考えると、今後も伸びていくと思います。みんな製品を自社の近くに保管したいと考えますからね。歴史的に、製薬会社は常にストレージを利用してきました。アメリカにあるLife Storage社は、かなり大きな企業なのですが、Warehouse Anywhere社を買収し、その物件に在庫を置き、それぞれにRFIDを装備することで、同社の顧客が在庫を把握し、置き忘れたり間違った商品持ち出したりすることがないようにしています。複数の人がユニットに出入りし、商品を取り出すこともできます。要するに、会社用のミニ倉庫のチェーン店といったところです。まだまだ成長の見込みがある分野ではないでしょうか。先程もお話ししたように、ストレージは様々なタイプに発展していくでしょう。自動化機能によって、ストレージの使い方も多様化いていくと考えています。私たちは、企業も含めて、あらゆる人がストレージを便利に活用できるようにしていきたいのです。 

| UL: 最後に、2023年以降の計画について教えてください。 

現在進行している事業拡大計画がいくつかあります。当社の戦略は3つの柱で成り立っています。社内でのイノベーション、買収、そしてパートナーシップです。そして、4本目の柱として考えている計画が新しい地域への事業拡大です。当社は製品ラインを世界中に広げています。ヨーロッパへの進出は、当社にとって大きな出来事でした。フルサービスのキオスクとアクセス制御システムを導入して、オンラインオークションプラットフォームはヨーロッパでも通用すると考えています。また、ヨーロッパにコールセンターも作れたらいいなと考えています。9か国語で対応するという難しい挑戦になりますが、何かしら形にできたらいいですね。 

ニュージーランドやオーストラリアも検討しています。以前ビジネスを展開したことがあるのですが、当社の製品に大きな関心を寄せていただけましたので、ヨーロッパよりも展開しやすいかもしれません。次のステップの1つになると思います。2023年半ばまたは後半に本格的に参入しようと思っていますが、新たな地域で足場を固めるのには35年はかかるでしょう。 

また、電子錠のソリューションも発表する予定です。私たちは、スマートロックの開発に8年近く取り組んできました。9種類ほどのプロトタイプを作成し、この分野における競合他社をすべて研究、観察し実に多くのことを学びました。より低価格で高品質な製品を事業者の皆様に提供できると確信しています。2023年の第1四半期には、それを実現できるのではないかと思っています当社のIoTプラットフォームと統合する予定です。当社のオープンなシステムなら当社のスマートロックを受け入れるだけでなく、他のメーカーのスマートロックとも連携することが可能です。セルフストレージのパートナーをサポートするためには、できるだけ多くの選択肢を増やすことがベストだと考えています。