Unwired Logic株式会社

適正賃料を見極めて顧客満足と収益を高めよう

前回、第2弾としてお届けしたマーケットエリアと顧客の属性についての記事(ご覧いただけていない方はこちら)に続き、今回は第3弾として、ストレージの適正な賃料設定をテーマにお届けしたいと思います。 

賃料のバラツキから見えるビジネスチャンスとは 

みなさんが運営するセルフストレージは、適正な賃料設定を行えていますか? 

セルフストレージ事業はご利用者からの毎月の賃料が主な収入源となるビジネスです。そのため、賃料を高く設定できたうえで多くの契約を獲得できる、そんなビジネスモデルを構築することが、将来的な収益レベルを高水準で維持するカギとなります。反対に、ストレージがもつ収益性に目を向けず、競争力もない賃料設定となっていては、収益を高めるチャンスを失っているだけでなく、安定感ある強固なビジネスプランに結びつけることも容易ではないでしょう。適正な賃料の設定は、収益に直結する重要なポイントなのです。 

賃料は一般的に、賃貸マンションやアパートなどと同様、貸出面積、駅や主要道路からのアクセスや利便性、物件の設備などを検討材料として決定されています。これに加えて大切なのは、競合近隣店舗の賃料と自社店舗の賃料を比較することです。 

ストレージの賃料は、賃貸マンションやアパートに比べ、同じ条件であっても運営会社によってばらつきが見られます。この背景には、いわゆる「家賃相場」を踏まえた適正賃料の比較検討や改定がなされないまま、多くのストレージが貸し借りされている現状があります。賃貸マンションやアパートは、ストレージ業界に比べて物件数も利用者数も多く、市場における競争も激しいため、詳細な情報をいつでも誰でも得られるようになっています。物件を探している人は少し調べれば相場に見合った家賃がいくらかを知ることができますし、不動産オーナーや仲介業者は相場に見合った家賃設定をしなければ収益の確保や顧客の獲得は難しくなるでしょう。同等条件の賃貸マンションやアパートで家賃の差がほとんど見られないのはそのためです。では、セルフストレージの賃料にはなぜばらつきがみられるのでしょうか。それは、業界全体としてまだ適正賃料が定まっていないためと言えるのではないでしょうか。貸す人も借りる人も適正賃料に関する情報をもっていないために、賃料に関して比較検討することなく、貸し借りが行われているとも言えます。 

適正賃料が潜在顧客にとって不明瞭というこの状況は、見方を変えれば、セルフストレージ事業者にとって収益を増加するチャンスと言えるかもしれません。競合近隣店舗の同等条件のストレージについて賃料比較をした結果を踏まえ、現在の賃料より高く設定しても今と変わらぬ契約数を獲得できるかテストしてみれば、これまで気づくことがなかった潜在的な収益を掘り起こすことができるかもしれません。日本のセルフストレージ事業者は代々同じ土地で長年にわたり不動産運営を行ってきた方も多く、その経験値を根拠にこまめな市場調査を行わないまま賃料設定をしているケースもあるようです。もちろん、独自の賃料設定の指針をお持ちとは思いますが、このような事業者さんこそ、チャンスをつかむ可能性が高いとも考えられます。 

競合近隣店舗が10%高値で賃料設定していれば、自社のストレージも同じ条件にしてテスト的に貸し出してみませんか。10%高値である理由がアクセスの利便性や設備などの基本条件が優れているためだったら、自社の同等条件のストレージを10%も安値に設定しておく理由があるでしょうか?少なくとも、今の賃料より5%高く設定していても、今と変わらない契約数を獲得できていた可能性を否定できません。収益増加のためにも、ぜひ一度、調査・比較・分析の機会を設けるべきです。 

ストレージがもつ収益性を正しく見極める 

収益増加を考えるとき、早く契約が決まる、あるいは契約が途切れない人気のあるストレージサイズを多く確保することは大切です。しかし、その賃料がもともと安価だった場合は、収益の機会を逃していないかを見直すことも必要です。顧客満足度の視点から考えると、ストレージの賃料を契約途中で値上げするのはリスクを伴います。ですから、契約時の賃料をいかに適正に設定しておけるかが重要になります。これができて初めて、ストレージがもつ最大限の収益性を確認していけるのです。 

適正賃料の設定にあたっては、各ストレージサイズの設置数についてもぜひ分析してください。過去の契約履歴データを分析すれば、人気のサイズやニーズが高まる時期などが見えてくるかもしれません。人気のサイズが分かれば、新店舗オープンの際は賃料設定を10%高く設定して運営を開始するなどの戦略に生かせるでしょう。 

従業員は顧客対応に注力できるよう、データの蓄積や分析にあたってはシステムを導入したりコンサルタントによるサポートを得ることも方法の一つです。Unwired Logicには、日本のセルフストレージ業界における豊富な経験を持つコンサルタントが在籍していますので、今回紹介したような戦略分析やレポーティングについてお困りの際はぜひこちらからお問い合わせ下さい。 

また、今回紹介したような細かな賃料設定や契約履歴データの蓄積などに対応しているセルフストレージビジネス専用のクラウド型システムStoreganise(ストーガナイズ)についても、ぜひ弊社へお問い合わせください。 

次回の第4弾では、契約獲得数を確実に伸ばすために押さえておくべき数字「コンバージョン率」をテーマにお届けします、お楽しみに!