
皆さんは獲得した見込み客をしっかりと契約へと結びつけられていますか?店舗の立地によっては競合他社の店舗数やマーケットエリアの属性に違いがあるため(マーケットエリアと顧客の属性について詳しくはこちら)、見込み客から契約への変換率は差があって当然です。
だからこそ、店舗ごとの適正な変換率(=コンバージョン率)について把握しておくことがとても大切です。もし「利用料が高すぎる」「ニーズが高いストレージタイプだけが満室になっている」などの状況が見られる場合は、コンバージョン率に影響を与える情報を把握することで、収益を高めるための糸口を見つけられることは少なくありません。
コンバージョン率に影響を与える2つの「数字」とは
コンバージョン率に影響を与える情報とは、どのような情報のことでしょうか。
一つは予約率です。予約率は「問い合わせ」から「予約」へどれくらい結びついているかを見る数字ですが、もし予約率が低い場合は、顧客のニーズに応えるストレージのタイプやサービスがそもそも用意されていないという課題が挙げられます。「借りたいサイズのストレージがない」「Sタイプのニーズが高いのにそもそもSタイプのストレージが少なく、Mタイプはたくさん余ってしまっている」などは、顧客のニーズを捉えきれていなかったためニーズに合わない商品バランスで営業している状況です。「想定外のサイズが人気だった」「予想はしていたが実際のニーズとずれがあった」という場合は、事前に十分な調査分析がなされていなかったことが原因といえるでしょう。現在の予約状況を踏まえ、ニーズをしっかり調査分析して予約獲得のための対策をとるべきです。また、別の理由としては、見込み客が競合他社のストレージと比較検討しているため、問い合わせの段階で止まってしまっていることも考えられます。この場合は、競合他社に見込み客をとられないよう丁寧にニーズを引き出してフォローアップし、予約につなげていくことが必要です。
もう一つの押さえておきたい情報は契約率です。契約率は「予約」から「契約」へどれくらい結び付いているかを見る数字ですが、もし契約率が低い場合は、手間のかかる契約手続きが顧客にとっては面倒だと思われていることが課題かもしれません。せっかくニーズを満たしたストレージを提供できるのに、たとえば書面のやり取りが来店や郵送でしか行えなかったり、準備するものが多かったりすると、顧客は理想的なストレージを目の前にしながらも契約意欲をそがれてしまうかもしれません。いかに契約手続きに関する手間を取り除き、ストレスを感じさせることなく契約へ結び付けられるかは、現代の社会において大きなポイントとなります。
ここまで、コンバージョンに影響する情報として「予約率」「契約率」について説明してきましたが、そもそもこの二つのコンバージョン率を分けて把握できるような仕組みを持っていない事業者さんも多いのではないでしょうか。前述したように、予約率と契約率を上げるためにネックとなる課題には違いがあります。どちらのコンバージョン率がボトルネックとなっているかを分析することで、対応すべき課題がよりはっきりと見えてくることが分かります。
DXに向けたテクノロジー導入は数年後の将来への投資
今、あらゆる業界においてテクノロジーは進化しており、数年後はさらに進んでいることは間違いないでしょう。セルフストレージ業界においても、例えば、毎月の決算処理、問い合わせから予約、予約から契約までの集計やコンバージョン率の分析、KPIを瞬時に確認することができるレポートの作成など、テクノロジーの導入によって自動化できる部分はたくさんあります。解約や支払い状況のデータを蓄積していくことも、ビジネス成長のためのベースとなる貴重なデータとなっていきます。これまではペーパーワークが主流だった業種でもどんどんDXがトレンドとなってきており、それに伴うデータの蓄積とデータを活用したレポーティングに力を注ぎ、ビジネスの判断基準に使われることは普通のこととなってきました。
これまでのやり方を変えるというのは簡単ではありませんし、実際大変に感じるものだと思います。しかし、諸外国に比べてテクノロジーの導入が遅い日本において、さらに取り残されたままにならないよう、自動化できる業務は積極的に自動化できる環境を取り入れ、人は人にしかできない「顧客のために考える」「利益アップのために考える」という作業に時間を使えるようにしたいものです。
これまで、「指標にすべきKPI」「エリア分析」「適正賃料」「コンバージョン率分析」についてシリーズでお届けしてきましたが、これらのさまざま情報を収集・分析し、戦略を構築し実行していくことで、収益を増加させることは可能です。そのために必要なデータの自動収集のために、もっとテクノロジーを活用すべきです。これは今を考えるのでなく、数年後の将来のための投資でもあります。
Unwired Logicには、日本のセルフストレージ業界における豊富な経験を持つコンサルタントが在籍していますので、今回紹介したような戦略分析やレポーティングについてお困りの際はぜひこちらからお問い合わせ下さい。
また、今回紹介したような細かな賃料設定や契約履歴データの蓄積などに対応しているセルフストレージビジネス専用のクラウド型システムStoreganise(ストーガナイズ)についても、ぜひ弊社へお問い合わせください。