世界中にいるZendeskユーザーがどのようなエクスペリエンスを得ているのかを知ることができる「Zendesk Customer Experience (CX) Trends Report 2020」の調査結果を2部構成でまとめたレポートの後編をお届けします。特に、今回はカスタマーサービスに関する知見をまとめていきます。

前編(こちらをクリック)では、良いカスタマーエクスペリエンス(CX)が企業にどのようにして利益をもたらすのか、また悪いエクスぺリエンスがどのように顧客を遠ざけてしまうのかについてお届けしました。その指標の1つとなるのが、顧客は24時間365日のサポートを希望していることです。また、カスタマーサポート間をたらい回しにされて、その度に自分の情報や問い合わせ内容を繰り返さなければならない体験もネガティブなCX例として多くの人が回答していました。
顧客は、CXのすべての面でスムーズなやり取りを求めています。また、何か問題があったときに、すぐに連絡が取れ、出来ればその場で解決してほしいと望んでいます。つまり、企業は電話やチャットだけではなく、それ以上のチャネルが利用可能なカスタマーサポートを用意すべきだということを意味しています。電話とチャットは、主に人と人とのコミュニケーションを扱うものです。それはそれで良いのですが、問題は「営業時間外はどうするか?」という点です。
オムニチャネルによるカスタマーサポートへのアプローチには、顧客が企業に連絡するための多くの方法を提供することも含まれます。オムニチャネルのサポートシステムを使用している企業は、従来のアプローチを使用している企業に比べて、チケットの解決が最大で3倍速くなったと報告されています。また、顧客の待機時間は平均75%短縮され、カスタマーサービス担当者は5倍以上のチケットを処理することができたとの報告もあります。
それなのに、オムニチャネルサポートシステムを利用していると答えた企業は、40%に満たないのです。これはチャンスだと思いませんか?
最も効果があったと回答した企業は、オムニチャネルサポートシステムを利用し、他の会社のシステムと統合している企業江下。回答者の70%近くが、部署間の異動の際に「最初からやり直さなければならないのがストレスだった」と回答しています。システムを連携させることで、すべてのCXタッチポイントで同じ情報を持つことができるので、顧客に何度も同じことを言わせることを避けられます。
タッチポイントの統合こそが、Zendeskのようなツールの醍醐味なのです。
考えてみてください。多くの企業では、営業担当者が顧客との関係を築き、サポート担当者が問い合わせのチケットに対応します。これは、各担当部署の情報が制限されてしまったり、絞られてしまったりする従来の運用プロセスの場合です。さらに、小規模企業(従業員数100人未満)では、サポートと連携したCRMシステムはおろか、CRMシステム自体を利用している企業が40%にも満たないのです。大企業を含む世界の平均は60%です。これがどういうことを意味していると思いますか?
回答者の75%以上が、企業とのやりとりが細やかで行き届いていることを期待しています。彼らは、いつでもどのサポート担当者と話していてもすぐに注文状況や履歴、出荷状況など知りたいことを教えてほしいと望んでいます。このような期待に応えるため、企業はシステムとデータを統合すべきなのです。
システム統合で利益を得られるもう1つのCXチャネルは、アンサ―ボットの利用です。このようなボットは、あらかじめ作成されたFAQ記事を提供することで、顧客の問い合わせに対する初回対応をします。ボットの利用こそが、さきほどの「営業時間外はどうするか?」という問題の答えとなり得るのです。
ボットを活用する良い例としては、セルフサービスのサポートを提供できるFAQ記事や時間外のサポート対応で、サポートチャネルをカバーすることです。よくある質問をもとにサポート担当者が活用できそうな記事を作成することでモチベーションの向上も期待できます。
日本でもアンサーボットの導入は可能でしょうか?Zendeskのセルフサービス型ソリューションのようにであるボットを利用している日本企業の50%以上が「アンサーボットは役に立つ」と考えており、国別のランキングでも日本は3位に入ります。また、予想通り、若年層の顧客はボットによる問題解決をより好む傾向にあるようです。
日本でカスタマーサービスは必要不可欠です。優れた従業員は優れたCXを提供できます。しかし、すべての企業にそのような優れた従業員がいるわけではありませんし、その優れたCXを提供するためのツールも不足しています。オムニチャネルサポートシステムを構築すれば、すべての社員が優秀な社員と同じCXを提供できるようになり、その結果素晴らしいCXを提供できるようになります。前編でも述べたように、優れたCXはブランドロイヤルティを向上させ、顧客が好んであなたの会社の製品を購入するようになるでしょう。