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収納シミュレーターでリードを顧客転換 – Calcumate社CEO兼共同創業者Joshua Webb氏へのインタビュー

| UL:はじめにご自身について、そしてCalcumate社について教えてください。

Calcumateは、セルフストレージや引っ越し業者向けの3D収納シミュレーター兼アシスタントです。ストレージや引っ越しを検討している顧客が自分の荷物にはどれくらいのスペースが必要なのかを視覚化し、分かりやすく確認することができます。プラグインウィジェットとして、お使いのウェブサイトに簡単に埋め込むことができますし、自社のニーズやブランドに合わせて外観をカスタマイズすることもできます。非常に使いやすく、ユーザーフレンドリーなソフトウェアです。

このソフトウェアを作ろうとアイディアを思いついたのは、私がオーストラリアのストレージ会社Taxiboxでマーケティングマネージャーをしていた時でした。当時予算の大部分は、クリック課金とウェブサイトへの誘導に費やされていました。トラフィックをより多く顧客にコンバートしたいと考えていたのです。そして、人々が自分の荷物用にどれくらいのスペースが必要かを計算する際、大きな誤算があることに気づきました。自分の荷物がユニットの中で積み重なっている様子を正確に想像できる人は少ないからです。そこで、収納シミュレーターを開発し、ウェブサイトに掲載しました。すると、すぐにオンラインパフォーマンスが大幅に改善されたのです。Taxiboxの拠点であった東部だけでなく、他の州や地域でも需要があるのではないかと拡大戦略に力を入れると、多くの地域で展開することができ、特にここ3年間は急成長を遂げることができました。

| UL最近の成功事例や導入事例をご紹介いただけますか?

当初は、ウェブサイトの訪問者に対して保管するものに応じて「10×10または10×15のセルフストレージが必要です」というように、純粋に推奨するユニットサイズを示す電卓のみを使用していました。しかし、ストレージ事業者側が「お客様の情報を見たい」「荷物のリストを見たい」といった要望を持っていることが分かりました。そこで私たちは、ウェブサイト上でお客様がメールアドレスや電話番号を入力できるリードフォームを開発しました。そして、ストレージ事業者に、リスト項目と収納シミュレーターのおすすめ商品と一緒にそのフォーム内容を送信します。つまり、オペレーターは利用を前向きに検討している非常にホットなリードを持ち、関連するすべての情報が受信トレイに直接送られてくるのです。最近の成功事例は、今週初めに届いたお客様からメールですね。データが送信されてから10分以内にリードに電話をかけると、そのまま2,000ドルの契約を結ぶことができたそうなのです。ウェブサイト上の収納シミュレーターを導入することで、多くの労力を費やすことなく、リードを顧客にコンバートすることができると実証された良い例ではないでしょうか。

| ULCalcumateを活用することで、最も需要があるであろう産業は?

セルフストレージ市場ですね。セルフストレージ事業を念頭に置いて開発しましたから。私たちの顧客の大半はセルフストレージ事業者です。とはいえ、利用者の住所にストレージを配送するような移動式ストレージや、コンテナ型ストレージにもこのシミュレーターを活用できます。最近では、引っ越し業界にも展開を始めました。必要なストレージスペースを示す代わりに、どのサイズの引っ越しトラックが必要か、またA地点からB地点までの荷物の移動がどの程度の仕事量になるか、などを示すことができます。

| ULアジア、アメリカ、ヨーロッパの主要地域でCalcumateの使い方に大きな違いはあるのでしょうか?

はい、あります。1つは、もちろん言語です。現在、十数ヶ国語に対応しています。幸いなことに、ビジュアル多めのツールなので文字に頼る箇所はあまりありません。言語よりも重要な違いは、実際に保管する荷物にあると思っています。お客様が新たにCalcumateを使い始める際に、登録する荷物の計算式や項目を微調整してカスタマイズすることができるのですが、アジアのストレージ事業者とアメリカのストレージ事業者では、何が重要な項目なのかが違うので、面白いですね。香港のお客様だと麻雀卓があったり、ヨーロッパではスキー用品や防寒具、アメリカでは大型冷蔵庫や銃用のキャビネットといった荷物のニーズがありました。そういった地域で、セルフストレージがどのように使われるのが一般的なのか、Calcumateを展開しながら実に様々なことを学びましたね。

| ULセルフストレージ事業者がCalcumateを導入することで、どのようなメリットを期待できますか?

Taxiboxの頃の経験から言うと、オンラインによるパフォーマンスが劇的に変化しましたね。開発した収納シミュレーターは、リードが安心して顧客に転換できるように知識の壁や障害に対処する目的で作られました。だから、その効果をすぐに実感できたのはとても嬉しかったです。それだけでなく、リード自体の数も大幅に増えました。また、ウェブサイトにシミュレーターを設置した当初は、まったく想定していなかったのですが、自社の営業チームもこのシミュレーターを使っていたのです。使い勝手がいいので、お客様に必要なものをすぐに伝えることができ、素早く販売につなげることができるそうです。つまり、時間の節約になるのです。そこも大きなメリットですね。

Calcumateの導入は、ストレージ事業者がまずCalcumateプラットフォームに申し込みます。次にユニットサイズや自社ブランディングやカラー、荷物リストの選択、そのほかのカスタマイズオプションなど、独自の仕様でシミュレーターを構成していくという流れになっています。シミュレーターの見た目が気に入ったら、コードスニペットをウェブサイトに貼りつけるだけで、すぐにシミュレーターが使えるようになります。

| ULCalcumateの主なターゲットは中小企業ですか?それとも大規模企業ですか?

今ちょうど料金システムの切替作業をしているところで、当社でも非常にホットな話題です。これまでは、ストレージ事業者をはじめとする当社のお客様がお持ちの施設やユニット数に応じて、価格帯を設定し、契約できるようにしていましたが、最近になって、ストレージ事業者のウェブサイトに数分で埋め込み可能な基本機能のみのシミュレーターを無料で提供するサービスを始めました。この無料バージョンを提供してから、今度は機能セットを追加で提供できるプロセスも追加していきました。この戦略が功を奏し、企業の規模を問わず、誰にでも自信を持ってCalcumateを提供できるようになりました。当社の目標は、ビジネスの成長段階やステージに応じて、各企業の需要に合った異なる製品群や機能リストを柔軟に提供することです。

| UL今後、開発やアプリなどの面で、どのようなことをお考えですか?

現時点で考えているのは、主にプラットフォームの継続的な改善と可能な限りカスタマイズができるようにすることです。こんな新しい機能が欲しい、こんな項目を増やしてほしいといった要望が増えてきています。当初は、約30項目からスタートしたCalcumateですが、今では120以上あります。柔軟かつダイナミックであることは、私たちにとって重要なことです。これらの項目は、主にセルフストレージ業界向けですが、他の業界からの関心も高いと思っています。配送やロジスティクス、宅配便など、在庫の積み上げや管理を最適化したいと考えている人なら誰でも関心を持っていただけると思います。このような業界に進出することは、私たちにとって長期的な目標です。現在、引っ越し業界からの関心が特に高いので、引っ越し業界への最適化を優先的に行っています。シミュレーターがうまく機能し、引っ越し業者が必要とする結果を提供できるように今開発を進めているところです。

 

Calcumateは、Unwired Logicのパートナーです。Calcumateに関する詳細やUnwired Logicとのパートナーシップについては、こちらをご覧ください。